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行動経済学ーギャンブラーの誤謬ー

こんにちは。えびです。

朝から風邪気味でちょっとへばっています……

昨日のダービーの影響でしょうか?(笑)

 

ダービーはというと、見事というほど順当な着順で大荒れは全くありませんでしたね。

穴狙いの自分としては、少々残念なレース展開でした……

一つ言っておくと、安心して欲しいことに今日の記事は別に競馬のことについて書くわけではありません。(笑)

今日のテーマは「ギャンブラーの誤謬」というものです。

ギャンブルつながりと悔しさからちょっと前置きで昨日の話をしてしまいました。(笑)

 

では、話をもとに戻します。

 

ギャンブラーの誤謬

 

ギャンブラーの誤謬とは、僕たちがよく犯してしまう思考回路のミスの一つです。

時に、僕たちの脳は与えられた情報すべてを勘案して解を出すほど優れているとは言えません。

そのような複雑な問題を解く際に、よく利用してしまう簡便的な解の出し方に「ギャンブラーの誤謬」が表れてきます。

 

例えば、競馬において勝ち馬を予想する場面を考えてみましょう。

問題を簡単に予想するために前提条件を少し狭めます。

今日の競馬レースでは全部で16頭の馬がエントリーしています。

この16頭の馬の実力はほとんど一緒だと考えられているようです。

これまで同じ馬で2回レースをした時の1~3着は、以下のようになりました。

1回目:②→④→⑬

2回目:②→⑧→④

では、①から⑯番のうちどの馬が1着になると思いますか?

 

馬の実力という絶対測れない未知数の要素を失くしたとしても、

 

馬の体調、騎手、場体重、前日の仕上がり、これまでのレースの成績、血統、馬場状態、特異なレース場、利き回り、距離、カーブの形状、スタート位置……etc

 

などなど、恐ろしいほど考慮する要素があります。

これらすべてを頭に入れて勝ち馬を予想することはほぼ不可能でしょう。(あくまで、コンピュータなどを使わずに人間の脳だけで予想する場合です。)

こんな複雑な予想をする時、おそらくあなたの頭の中の計算機は、②番の馬は前回のレースも1着、前々回のレースも1着だし、このレースも1着なのでは?という解をはじき出すはずでしょう。

16頭の馬の実力は一緒なので、どの馬も勝つ確率は1/16であるにもかかわらず……

 

次に少し場面を変えてみます。

前提条件は先ほどとほとんど一緒ですが、次にあなたに勝ち馬を予想してもらうレースは16回目です。

15回目までの1着は、次のようになっています。

②→③→⑪→⑤→⑯→⑬→⑨→⑧→⑩→④→⑮→⑦→⑭→⑫→⑥

まだ①番の馬だけが1着になったことはありません。

では、どの馬が1着になると思いますか?

 

多くの人は①番だと予想すると思います。

実力が拮抗していてまだ①だけ勝っていないなら、次こそは①が勝つと。

この場合も勝つ確率は1/16で変わらないにも関わらず…

 

では、なぜ僕たちは、このような思考に捕らわれてしまうのでしょうか?

この原因を説明する際に行動経済学でよく用いられる法則を見ます。

 

大数の法則(law of large number)

 

大数の法則とは、

 

試行回数が大きくなれば大きくなるほど、ある結果が出る頻度が決まって来て、平均からそれる確率が減る

 

というものです。

この法則の落とし穴は、大きい試行回数のなかだけでなく、少ない試行回数の場面でも当てはまるとよく勘違いしてしまうところにあります。

 

少数の法則(law of small number)

 

上記のようなことを「少数の法則」と言います。

要するに少数の法則とは、

 

試行回数が少ないにもかかわらずに、「大数の法則」や「平均値回帰」が当てはまると考えてしまうこと

 

を指します。

僕たちは単なる偶然にすぎないものに対してありもしない意味を付与してしまうという傾向があります。

例えばコイントスの場合、コインの表と裏が出る確率が50%:50%になるためにはコインを無限に近いほどの回数投げなければいけないのに、3回連続で「表」が出たらなんとなく次は「裏」が出ると予想してしまいます。

表が連続して4回出ることも別段珍しくないのに……

 

上記の例から大数の中の偶然を少数にも当てはめてしまうと、評価が大幅に逸脱することが分かります。

僕たちは正しい判断をするために、自分の脳がエラーを起こして、ある種の結果を過小評価も過大評価もすることがあるのを自覚する必要があります。

むしろ、自分のエラーを認識しているかどうかや、どのように事象を考えるかは、その人の性格や理性を知るチャンスになるかもしれません。

 

競馬やルーレットなどの賭け事だけでなく、「ギャンブラーの誤謬」は至る所に存在しています。

そして、僕たちは無意識にもその罠にはまりやすいです。

この2つのことを忘れずに、物事に対処することで脳のエラーを防ぎ、損をする機会を減らしたり、得をする機会を増やせることができるかもしれません。

ちょっとしたことでもいい方向に物事を考えられるように、工夫してみてください。

 

文責:えび

参考文献

丹羽由一(2016)『カイジから経済を学べ』日本経済新聞出版社

マッテオ・モッテルリーニ(Matteo Motterlini)(2015)『経済は感情で動く』(泉典子=訳)紀伊國屋書店

マッテオ・モッテルリーニ(Matteo Motterlini)(2014)『世界は感情で動く』(泉典子=訳)紀伊國屋書店

 

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