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意思決定論ー選択肢がもたらす効果ー

こんにちは。えびです。

今日は僕たちの意思決定に関して大きな影響を及ぼしている選択肢の数について書きます。

この効果をあまり意識できていないがために損をしている人がけっこう多くいると思うので、自分のこれまでの考えと比較してみてもらえると、面白いと思います。

 

意思決定論

 

意思決定論なんて堅いタイトルだと思った人もいるかもしれません。

響きだけ聞くと何とアカデミックなタイトルでしょう!

でも、そう身構えることはありません。

要するに、

 

僕たちが何かしら判断をする際に、どのような力が働いているのか

また、その力によってどういった判断をする傾向が強まるのか

 

といったことを話題にしているだけです。

非常に面白い分野なので、本を読んでみたりすることをお勧めします。

とりわけ今回のテーマは、「選択肢の数」というごく身近なものです。

イメージしやすいと思うので、直感的にも理解できるはずです。

 

選択肢の数が僕たちに及ぼす影響

 

いきなりですが、ちょっと考えてみて欲しいことがあります。

この記事を読んでくれている皆さんは、

 

・選択肢は多ければ多いほど良い、と思いますか?

・それとも、少ない方がいいですか?

 

または、買い物などに行くとき、

 

・同じようなものの種類がたくさん置いてあるお店に出かけますか?

・数種類だけを置いているお店の方が好みですか?

 

実は、こうした日常的な行いの中でも、今回のテーマが大きく効果を発揮しています。

そうであれば、選択肢の数がもたらす効果を自覚することで、買い物に出かける際や外食の予定を立てる際に役立てることができます。

また、逆の立場の人、つまりマーケティング担当者や店舗で品物の配置をする人、サービスメニューを考案する人など、もお客さんに買ってほしい商品を買ってもらう戦略の一つの参考になります。

そもそもの前提として記事を読み進めるうえで一つ頭に入れておいてほしいことがあります。

それは、

 

僕たちの脳にとって、どんなものであれ、何かを選択することはとても負荷がかかる

 

ということです。

ストレスという観点から見ると、何かを選ぶという行為自体がストレスに満ちているということです。

では、以降で細かく見ていきましょう!

 

アメリカでの実験

 

今回は、アメリカで行われた実験を一つ例に取り上げます。

実験そのものに興味がある場合は、参考文献に載せた本を見てみてください。

自分ならどうするか一緒に考えながら読んでみて欲しいです!

 

 

問1:あなたはMP3プレイヤーを買おうとしています。ある店の前を通ると、人気のあるソニーのプレーヤーがバーゲンで1万6000円の安値になっていることが分かりました。

それなら定価よりかなり安いです。さて、この場合どうしますか。

A:ソニーを買う。

B:ほかのモデルについても知ろうとする。

※MP3プレイヤーを置き換えて考えてみてもらっても構いません。

 

問2:問1と状況は変わりません。しかし今度は例のソニーのモデルの他に、もう一つのモデルも安売りされています。それは、サムスンで、品質も上々なのが2万6000円で買えます。

これも結構安くなっています。さて、どうしますか。

A:ソニーを買う。

B:ほかのモデルについても知ろうとする。

C:サムスンを買う。

 

 

問1と問2では、状況がさして変わらないように思えます。こういった場面には日常生活の中でも、よく遭遇することがわかるでしょう。

でも、実はこの少しの違いで意思決定に大きな差が生まれると知ると驚くかもしれません。

アメリカのプリンストン大学とスタンフォード大学の学生を対象にした実験結果によると、

 

問1のケースでは、約2/3の学生がソニーを買う、という選択をしました。

一方問2のケースになると、ソニーを買う、と選択した学生は約1/4にまで減少し、他のモデルについて知ろうとする、とした学生が1/2ほどになりました。

 

実験の結果からわかること

 

要するに、上記の問いを2つ比べると、次のことが分かります。

 

おいしいチャンスが1つから2つになると、僕たちがおいしいチャンスを使う可能性は減る

 

という、いかにも皮肉な洞察を得られます。

こういった実験を重ねていくと、

 

一般的に選択肢の数が増えるにつれて、判断を先延ばしにする傾向が強まる

 

ことがわかったそうです。

最初の質問に戻りますが、通常僕たちは選択肢が多ければ多いほど良い、と考えがちです。

そのため、ビジネスの場であれば商品ラインナップを豊富にしよう、とか日常的には色々な種類が置いてあるショップに買い物に出かけよう、と考える傾向にあります。

しかし、こんな風に安直に考えていると、思わぬ泥沼にはまってしまうことがあります。

 

選択肢が多ければ、判断を先延ばしにする傾向が強まる

と書きましたが、それがよくわかる実験をもう一つ紹介します。

 

ジャムの実験

 

この実験は、コロンビア大学の教授であるシーナ・アイエンガーが行った実験です。

直感でいいので、どちらの場合の方が売れるか考えてみてください。

 

A:6種類のジャムを試食・販売した場合

B:24種類のジャムを試食・販売した場合

 

実験の結果がどうなったかというと、

まず、試食コーナーの前を通行した人が試食を試した比率は

 

Aの場合だと約40%、Bの場合だと約60%

 

でした。では、次に試食した人が実際に購入した比率をみると、

 

Aの場合は約30%、Bの場合は約3%

 

という結果になりました。比率だけ見てもイメージしづらいので、通行した人が1000人だと仮定して計算すると、

 

Aの場合における購入者は、1000人×40%×30%=120人

Bの場合だと、1000人×60%×3%=18人

 

小数点の計算がめんどくさかったので、通行人を1000人と仮定しました。(笑)

でも、どれだけ差が多きいか理解してもらいやすいと思います。

試食の種類の数を減らすだけで、これだけ購入が増えるなんて驚きです!

 

なぜ、これだけの違いが生まれるのか、という行動経済学者が持つ視点からの説明はまた今度にします。

今回は、僕たちの意思決定において「選択肢の数」がどれだけ大きな効果を発揮しているのかを知ってほしかったです。

たかが個数、されど個数って感じですかね。(笑)

 

買い物に行くときに、衝動買いに弱い人であればわざと選択肢が豊富なお店に行くと、悩んで買わずに済むかもしれません。

また、レストランが決めれない人であれば、時間がないときにレストランがたくさんあるところに行くことは、避けた方がいいかもしれませんね。

いつまでもディナーを食べられない、なんてことになるかも…(笑)。

サービスのメニューを考案する時なんかにも、あまり多すぎるメニューはお客さんを困らせてしまうかもしれません。

思い切って減らしてみるのはどうでしょうか。

また、バーゲンセール品をたくさん出し過ぎてしまうこともお勧めできません……

 

とにもかくにも、消費者の立場からも生産者の立場からもこの記事を読んでくれている人に有益な情報を発信できたことを願っています。

ぜひ活用してみてください!

 

文責:えび

 

参考文献

丹羽由一(2016)『カイジから経済を学べ』日本経済新聞出版社

マッテオ・モッテルリーニ(Matteo Motterlini)(2015)『経済は感情で動く』(泉典子=訳)紀伊國屋書店

 

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