1. トップ
  2. 経済・金融
  3. 行動経済学ーメンタルアカウンティングー
このエントリーをはてなブックマークに追加

行動経済学ーメンタルアカウンティングー

こんにちは。えびです。

こんなに天気がいい日にもかかわらず、体調不良のためどこにも出かけられない、という苦痛を味わっています……

腹痛に悩まされてベットとトイレを行き来する日々をここ最近送っていましたが、できることをやらなければ!と思い、先ほど重い (痛い?) 腰をあげました。

 

今回の記事のテーマはメンタルアカウンティングですが、どういうものかという説明の前に今回のテーマをこれにしようと思いついたいきさつから書きたいと思います!

 

行動経済学

 

先日、熱が出てふらふらになりながら家のドアを開けました。ラックに上着もかけずに足早に一直線でリビング(寝室?)へ。その時の僕の感情は一つ……

 

風邪薬が飲みたい!

 

とりあえず、風邪薬を飲めれば

「プラシーボ効果なるものも働いてすぐに治るだろう。」

…そう考えていました。

しかし、滅多に体調を崩さないため風邪をなめていた僕に、思わぬ悲劇が……

 

「えー!風薬切れてるじゃん!俺飲んでないのに……。」

 

記憶を遡ってみると、数カ月前に友達が家に遊びに来た時に風薬をふるまってあげたことを思い出しました。

時計を見ると、夜の10:30。最寄りの薬局屋さんは10:00まで……

風薬はあきらめることにして、とりあえず近くのコンビニで滋養強壮ドリンクを買って鋭気を養うことに。

でも、予想以上の体調不良にユ〇〇ルでは太刀打ちできませんでした。

 

なんとか全身の痛みとだるさに耐えて翌朝を迎えられ、風薬とゼリーを買うために朝一番でドラックストアに出向きました。

目的の風薬を見つけ、今回のことがもう二度と起こらないように予備の薬も買い、ゼリーのコーナーへ。

いつもは安いドラックストアの自社ブランドのゼリーだけど、今日はちょっと高い〇ィダーインゼリーにしようかな!

と若干の贅沢をして嬉しく思っている時に、ふと今日のテーマであるメンタルアカウンティングのことを思い出しました。

「これは100%メンタルアカウンティングにハマってしまっているな。」と……

 

なぜなら、僕はいつも中身の成分もさほど変わらないし、手早く済ませる軽食程度なら安いゼリーで構わない、と判断してドラックストアのゼリーを買っていたのですが、

今回はゼリーを買う目的が風邪の治癒となっていて少し高いゼリーでもいいや、と心の財布が緩んでいたからです。

 

メンタルアカウンティングとは

 

上記の僕の例を読んでいただければ、ある程度はイメージしていただけると思います。

メンタルアカウンティングとは、その名の通り

 

心の会計

 

です。

そもそもの「メンタルアカウント」という言葉は行動経済学者のセイラ―教授が提唱した考え方で、

 

人間は心の中に記帳する家計簿を持っている

 

というものです。

どういうことかというと、僕たちは自身の中に色々な勘定項目を持っていて、時と場合によってそれらの項目を使い分けているということです。

そして、大事なことは多くの人がこの点を認識できていなくて、たまに損をしているということです。

この点を認識できていない人というのは、僕たちが買い物をする際に、ただ支出の項目しか持ち歩いていなくて状況によって意思決定に違いが生じることはない、と考えています。

商学や会計学をやっていないと、帳簿の話をされてもピンとこないので、具体的な質問をしてみていきます!

 

1000円がいつも1000円とは限らない

 

この小見出しは、参考文献にあるモッテルリーニ著の『経済は感情で動く』で使われていたものが秀逸だったので、そのまま使わせていただきました。

以下に掲載する質問もこの著書から引用しています。

では、さっそく質問です。

 

 

A:今日は土曜日で、大好きなオペラがある。

あなたはうきうきと劇場に出かける。入口に近づいた時、2万円もしたチケットを失くしてしまったことに気が付く。

さて、どうしますか? チケットを買い直しますか?

(オペラではなく、サッカー観戦やコンサートなど自分の好きなものに置き換えて考えてもらって構いません。)

 

B:Aと同じ設定で、今あなたは劇場の入り口にいる。けれども今度はチケットを失くしてしまったのではない。

チケットはまだ買っていないのに、上着のポケットにあったはずの2万円が見当たらないのだ。

さてどうしますか? チケットを買いますか?

 

 

実験の結果によると、ほとんどの人がAではチケットを買い直さないと言い、Bではチケットを買うと言ったそうです。

損失の観点からだけ言うと、金額は一緒であるにもかかわらず、意思決定に違いが生じているのです。

これは、Aの場合、チケットを買い直すと娯楽費に4万円が記帳されるのに対して、Bの場合だと娯楽費に2万円、行方不明に2万円とそれぞれが異なる項目で頭の中に記帳されることから、生まれてくると予想することができます。

 

僕たちがお金に対して付与する価値が異なることを明らかにする違う観点からの質問をします。

今回の質問は、モッテルリーニの質問を少しなじったものです。

 

 

C:いまは新生活のシーズン真っ只中。

あなたは、前から欲しかった電子レンジを買いに家電量販店へ。

行ってみて値段を見ると、8980円でした。購入を決意して電子レンジを持ち運ぼうとしていると、向こうから偶然友人が歩いてきました。

その友人があなたに、「歩いて15分の向こうの店だと同じ電子レンジが7980円で売っていたよ。」と教えてくれました。

さて、どうしますか? 安い方の店に駆け付けますか?

 

D:Cと設定は同じですが、今度はパソコンが欲しくなりました。また先の家電量販店へ行くと、欲しかった新型のパソコンが19万8000円でした。

例の友達がまた現れて、「歩いて15分の向こうの店だと19万7000円で売っている。」と教えてくれました。

さて、どうしますか? 安い方の店に走りますか?

 

 

似た質問をしたモッテルリーニの実験の場合だと、Cに似た設問の時は、多くの人が「Yes」と答え、Dに似た設問の時にはほとんどの人が「No」と答えたそうです。

 

上記の二つの質問からわかるように、僕たちの中でお金は絶対的に同じ価値を持ち続つとは限らない、ということができます。

AとBの場合からは状況によって同じ金額でも判断が異なること、CとDの質問からは向き合う金額によって、行動が異なってくること、を読み取ることができます。

 

モッテルリーニも主著の中で

 

「私たちはお金には相対的な価値を付与し、経験や感情によって色付けをする」

 

と述べています。

このことを意識しているかしないかで、お金の使い方が変わってくるかもしれません。

僕も自分が軽食と医療費という異なった勘定項目を使っていることに気づき、「どのみち同じものを評価しているのだから!」、と考え直して安いゼリーを買うことに決めました。

また、支払方法が多様化している昨今の社会では、支払方法が異なるだけでお金の使い方が別人のように荒くなってしまう人もいて、問題となることも多いので、自分を含め気を付ける必要があると思います。

 

お金はハッピーになることを支える一つのツールであることを忘れてはいけません。お金があれば、確かに暮らしが楽になりますが、お金そのものがハッピーを形作っているわけではないと、僕は考えています。

 

文責:えび

 

参考文献

丹羽由一(2016)『カイジから経済を学べ』日本経済新聞出版社

マッテオ・モッテルリーニ(Matteo Motterlini)(2015)『経済は感情で動く』(泉典子=訳)紀伊國屋書店

 

このエントリーをはてなブックマークに追加
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。