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行動経済学ー現状維持バイアスー

こんにちは。えびです。

今回は、行動経済学でもよく出てくる概念である「現状維持バイアス」について書こうと思います!

おそらく、「あー、あるある!それねー。」となる誰しもが経験したことがある概念です。

また、具体例も混ぜてあるので、より一層実感しやすいと思います。

 

現状維持バイアス

 

「現状維持バイアス」という名前を聞いたことがあるでしょうか?

普段なら普通に使うような言葉ではありませんよね……しかし、言っていることはごく当然なことです。

カタカナも混ざっていてかっこいいので、ぜひ使いこなしてほしい言葉です!

 

現状維持バイアスとは

 

”現状維持”という言葉はそのままの意味です。おそらく、明確にイメージできない人は”バイアス”という言葉を聞きなれていないだけだと思います。

行動経済学に限らず、統計学など専門的な分野ではよく使われる言葉です。専門用語って難しいし、聞きなれないので理解するのに時間がかかりますよね……

 

バイアスとは「偏り」と訳されることが最も多いです。

したがって、現状維持バイアスを簡単に言い換えると、

 

僕たちは、現状維持を好む傾向にある

 

と言えます。

自分を振り返ってみると想像しやすいのではないでしょうか。

ことに、あまり詳しくない状況や複雑な要素が絡んでくる場合などになると、僕たちはある意味思考することを放棄して、現状維持に甘えようとしてしまいがちです。

これは、前回記事にした保有効果とも関係があります。

 

現状維持バイアスと保有効果の関係

 

保有効果とは、自分が持っているものにほど高い価値を与えることだと述べました。

投資家が株の売買に関する意思決定をするときなどにも、よく見られるのですが、今回はもっと身近な例で考えます。

次の二つの場合で、自分ならどうするか考えてみてください。

 

A:あなたは今、月額性の海外ドラマ見放題プランを契約しています。特に不満はなく、暇な時にパソコンで海外ドラマを楽しめています。

先日登録サイトから、月額は増してしまうが、アニメも見放題のプランを契約しないか?と打診されました。

新たにプランをグレードアップしますか?

それとも現在のプランで契約し続けますか?

 

B:あなたは今、月額性の海外ドラマ&アニメ見放題のプランを契約しています。特に不満はなく、空いた時間にはパソコンでドラマとアニメを楽しんでいます。

先日サイトから、現在のプランから海外ドラマのみ見放題のプランにすると、月額料金が抑えられる!という連絡を受けました。

現在のプランをグレードダウンさせますか?

それとも現在のプランのままにしますか?

 

おそらく、多くの人がAの場合もBの場合も現状維持を選択したと思います。

「不満がないのなら、現在のプランでいいじゃん。」と感じたはずです。

しかし、通常の経済学が想定している経済人であればこの判断は合理的とは言えません。

要するに、僕たちは自分が保有しているものに高い価値を感じやすいため、新しく違うものに手を出したり、現状を変更しようとは思いづらいのです。

 

現状維持バイアスの応用

 

今回は、現状維持バイアスの応用というよりは、実世界では現状維持バイアスを打ち破るようなマーケティング手法が考えられている、という感じです。

僕たちは現状維持を好む傾向にあるため、商品を売る人やサービスを変更して欲しい人はインパクトがあり、思わず現状を変えたくなるようなマーケティングを考案しなければなりません。

 

特に顕著なのが携帯電話市場です。街を歩いていて携帯電話ショップを見かけると、お得感あふれる宣伝や行っているキャンペーンの多さに驚いてしまいます。

携帯電話市場のようなリピーター客を取り合うような市場では、現状維持バイアスを打破するのが難しいのではないでしょうか。

 

マーケティング手法も成長している現在では、本当に自分に利益があるものなのか、注意して考察してから意思決定をしないと、思わぬ損をしてしまうかもしれません。

また、自分が生来的に現状維持を好みやすい性質であることを自覚することで、行動を起こしやすくもなると思います。

そして、僕たちが現状を変えたいと考えていても、なかなか行動できない理由の一つにも現状維持バイアスが見つけられるかもしれません。

 

現状維持バイアスを持っている点は、僕たち全員に共通していることを知っておくことが大事です。

新しい環境へチャレンジしづらいと感じるのも、劇的なオファーがないと行動する気にならないことも、自分一人だけではないことを知っておくと、少し心が楽になると思います。

 

文責:えび

参考文献

丹羽由一(2016)『カイジから経済を学べ』日本経済新聞出版社

マッテオ・モッテルリーニ(Matteo Motterlini)(2015)『経済は感情で動く』(泉典子=訳)紀伊國屋書店

 

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